INNOVATORS CAREER

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仁科さん
事業責任者

企業や行政と共に新たな事業を創り出すーSTUDIO ZERO代表の覚悟とは

株式会社プレイド事業責任者仁科 奏

株式会社プレイドに務める仁科奏さんは、株式会社NTTドコモや株式会社セールスフォース・ジャパンで営業職を経験した後、プレイドに参画。業務と両立しながら早稲田大学大学院でMBAを取得し、一度PR Tableの経営職に就きますが、2021年4月にデータによる産業振興を目的とした事業開発組織「STUDIO ZERO」の責任者としてプレイドに復帰されます。これまでのキャリアとともに、「STUDIO ZERO」を立ち上げるに至った経緯や思いを詳しく伺いました。

■人生のゴールを定義し、そのために歩んできたキャリアの道のりとは

ー 仁科さんのキャリアの遍歴を教えてください。

10代終盤の頃、自分の”人生のゴール”を定義する機会があり、それ以来同じ目標をずっと大事にしてきました。ここで触れている人生のゴールとは「自分が死ぬ際に達成していたいこと」を指すのですが、その上で私自身のゴールを、「自分の人生のプラスの体験の体積が最大化すること」だと定義し、これまでの意思決定の場面で常に意識してきました。それは、自分が介在することで周囲の人々の体験の広さや深さを拡張することを意味するのですが、自分を軸として近い存在である家族や友人から仕事仲間…と関わる人々との縁を広げ、その人々にとっての大事な体験をより輝かせたいーーそんな思いを抱いてきました。

仁科さん

そのような軸を持ちながら、学生の頃は、家庭教師のアルバイトに専念したり、電通系の制作会社でインターンをしながらTVCMの制作や新しい媒体の立ち上げに関わったりなどと貪欲に経験を積みました。現在にも通じる点ですが、まだやったことがない経験を積極的に取りにいっていました。新卒で入社したのは、NTTドコモ。外資系企業にも内定をもらっていましたが、これまで自分が「やってこなかったことをしたい」という思いが根底にあるため、日本独特の新卒カードをどういうふうに切ろうかと考えていた時に、これまでの自分と似た上昇志向が強い文化とは異なる進路に進もうと思い、選択しませんでした。逆にNTTドコモには、当時の自分には最もイメージができなかった「世の中の当たり前を作り上げて維持していること」や「社会的意義を全うする難しさ」があり、最初の数年を活用して学んでみたいと思っていました。当時NTTドコモは、携帯大手各社によるMNP獲得合戦の影響により、通信インフラとしての大義を背負いながらも営利企業として脱皮もしなくてはならない、重要なフェーズを迎えていました。その渦中を実際に経験したことで、営利企業としてのインフラ企業の凄みを十分に実感することができたので、貴重な新卒カードを切ってNTTドコモに入社して本当に良かったと感じました。

ー 1社目の経験を経て、その後は?

大勢に影響を与える、社会に欠かせない重責を担っているインフラを、いずれは自分が作っていきたいと思うようになりました。ただし、「言うは易し行うは難し」で、まずは大義を抱き始めたものの、自分自身が圧倒的なスキルセットや実績を持たないことには実現することはできないと考えました。そこで当時の自分がこの世界でも戦える人材になるためには、次に何をすべきかーー様々な企業、ビジネスモデル、職種を見た結果、営業職に目をつけました。世界中どこを見ても営業という行為そのものは必要とされていますし、当時の若さしかない自分でも全力でコミットすることで多くのビジネスパーソンの先輩方を追い抜ける可能性がある職種だと思ったことが理由です。

そんな中、「営業を科学する」というメッセージを掲げるセールスフォース・ジャパンを見つけて、” 再現性があるトップセールスになりたい”と考える自分にとっては納得感があり入社。入社後は、当時の日本支社の営業成績記録を塗り替えるなどし、「自分なりに工夫をしたうえでコミットをすれば結果はしっかりついてくる」という成功体験を得ました。

その後、当時の上長の方々に相談をし、少々無理を通して頂いてカスタマーサクセス部門へ異動しました。外資出身の優秀な方々が多く在籍していたことから興味を持ったのですが、本当に学びが多く、当時の先輩社員の方々から教えて頂いたプロフェッショナルとしての仕事の向き合い方は今も常に意識するようにしています。セールスフォースはCRMのシェア率が世界No.1ですが、実際に関わることで、その結実を支えているのがカスタマーサクセスの存在だと体感しました。企画、実装、アウトプット…との一連の流れで、最も緊張感を持って顧客の成功に直結する取り組みをする組織こそがカスタマーサクセスだったんです。

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ー プレイドへの転職のきっかけは?

SaaSビジネスへの面白さに興味を持ち、そして一方では自分の軸である営業やカスタマーサクセスに精通する人材は市場価値が高いのではないかと感じていた頃、エージェントからの紹介でプレイドに出会いました。入社後、当時のビジネス組織の営業体制やカスタマーサクセスのあり方などを皆で議論しながら常に磨き込んでいました。

そして、実際のビジネスシーンのみならず、もう少し体系的に経営を学びたくなったのでMBA取得のために早稲田大学大学院のビジネススクールへ。19時に退社し深夜2時まで勉強する生活を2年間続け、無事学位を取得しましたが、当時上場準備中だったプレイドでは経営経験を積むためには時間がかかりそうだったので、代表の倉橋に相談したうえで一旦プレイドを離れて、シリーズBのスタートアップ企業でCFOとして経営に携わる意思決定をしました。

ここで入社した株式会社PR Tableでは、企業活動のパブリックリレーションを見直すことを目指して、まずは人事広報領域においてSaaS事業を展開していました。更なる成長曲線を作り上げる上で、CFO業務に加えてプロダクトを管掌するCPO(Chief Product Officer)も兼任し経営に関わる全てをやらせていただきました。当時は新型コロナウイルス感染症が流行し始めたタイミングで、そのような時期にシリーズCファイナンスを成功できたことは嬉しかったですし、その後に会社の業績を伸ばすことができたことは自信に繋がりました。PR Table時代は本当に学びが多く、今でも当時の株主や創業者や一緒に働いた社員の方々には心から感謝しています。そして、新しい挑戦を更にしていこうと意思決定したうえで、当時は起業も考えていましたが、最終的にはプレイドに出戻ることになります。

2021年4月に現職のプレイドに戻るわけですが、この出戻り時に代表の倉橋からもらったメッセージを今でも大事にしています。それは、「(私たちは)SaaSだけをしたいわけじゃない」ということ。「そのために起業したのではなく、データによって人の価値を最大化することを目指している。だからこそ、当社ミッションの具体的な事例を世の中に生み出してほしい」とのオーダーでした。同時に「具体的に取り組むテーマやそこに紐づく予算などの詳細は決めていないが、”ZERO(ゼロ)”という名前だけは決めている」という起業家発想らしい依頼もありましたが..、前職で会社のミッション・ビジョン・バリューや事業の方向性を再定義したうえで業績を伸ばした経験があったので、しっかりコミットすればなんとかなるだろうという感覚がありました。

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■事業の伴走が最も大事―具体化する、STUDIO ZEROの歩み

ー その後の「STUDIO ZERO」の歩みは?

2021年4月に発足し、翌々月に我々の声明のごとくLPを立ち上げました。事業内容もメンバーも何も決まってない中でしたが、すべて任されていたので、まずは採用を進めながらミッションの咀嚼と、コロナの影響による今後の世の中が向かう方向性やマーケットの変化について整理しました。次に、ずっとデスクにいても仕方がないので、MBA時代の先輩後輩や以前から親交のあったマネジメント層の方々約300人と会話をしにいきました。当時は具体的な事業モデルが固まっていなかったので、いくつかの事業の叩かれ台を持参して、様々なアドバイスをもらいながら構想が着々と形になっていきました。

同年冬頃には、大手企業や自治体から一緒に取り組みたいというお声がけをいただけるようになり、やがてスタートアップや行政・公的機関とも並走し価値創出を行う、新たな事業を開発する組織「STUDIO ZERO」の礎ができました。

ー 現在、どのようなビジネスをされていますか?

プレイドは、CXやDXのソリューションをもとに、カスタマーデータの活用支援を通じて顧客を中心とした企業活動を実現する世界を目指し、SaaSプロダクト「KARTE」や、APIを提供しカスタマーデータを活用した新たなソリューション開発を容易にする「PLAID Ecosystem」という取り組みをしています。その中で我々「STUDIO ZERO」は、プロダクトやソリューション提供に主眼を置いていません。プレイドの強みであるプロダクトづくりや事業づくりを源泉としながらも、弊社顧客が直面しているビジネスモデル変革や組織開発に携わり、顧客の事業成長に向けてともに伴走することを目標としています。そして、その先に、顧客企業や自治体が弊社と一緒になって生活者(エンドユーザー)にとってより良い体験を生み出し続けている状態を目指しています。

また、我々は企業の中に変革を起こせる人材やナレッジを作り、残すことも目指しています。そして、既存のSier企業や広告代理店やコンサルティング企業の皆さまとも積極的に連携を取りながら、共に業界変革や企業変革に取り組んでいるところも特徴かと思います。

ー プレイドに参画されてから、どのような変化を感じていますか?

プレイドの経営陣の思考回路からは日々刺激を受けています。例えば、物事をスタートしようと意思決定して動き始めてからは、前の状況にはどうしても引き戻せないということを前提に、経営戦略や事業戦略の意思決定をしている点です。これは当時の私にはなかった思考プロセスなので非常に学びになっていますね。その一方で、この思考プロセスが常に正しいという訳ではなく、あくまで事業の成長フェーズに応じて可変していくべきもの、と割り切って思考している点も弊社経営陣のユニークさなのかなと考えることもあります。また、徹底した性善説を貫いている点も驚きかつ学びになるところが多いです。

今後については、我々に期待いただいている顧客やマーケットにさらに誠実に向き合い、「データによって人の価値を最大化する」というプレイドのミッションを具体化して、世の中をより良くしていきたいです。

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