INNOVATORS CAREER

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代表/founder

日本のオープンイノベーション基盤を創りイノベーションが再び生まれる国へ

eiicon company代表/founder中村亜由子

誰もが簡単にアクセスできるような、現代における共創の基盤を創りたいーーこの思いを胸に、人材業界でキャリアを積んできた中村 亜由子(なかむら・あゆこ)さんは、パーソルキャリア株式会社で新規事業eiiconをスタート。その後、パーソルイノベーションに籍を移し、現在では社内カンパニー「eiicon company」を経営。eiiconが運営する日本最大級のオープンイノベーションプラットフォーム「AUBA」では、現在1,000を越えるコラボレーション事例が生まれています。新たな価値創造を支え続ける、中村さんの思いと描く未来を伺いました。


中村さんのこれまでのご経歴を教えていただけますでしょうか。

中村:新卒でインテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)に入社し、転職サービス「doda(デューダ)」の編集部へ配属されました。編集を経験した後は新規の求人開拓や、人材紹介の企業側求人窓口などを経験し、マネージャー職も経験させてもらいました。2015年に育休に入った後、現在の事業の起案をするに至りました。

現在経営される会社の事業を教えていただけますか?

中村:パーソルイノベーション株式会社の「eiicon company (エイコンカンパニー)」で事業の経営をしています。事業内容は、主に「オープンイノベーションプラットフォームAUBAの運営」「事業を活性化するメディアTOMORUBAの運営」「オープンイノベーションに特化したコンサルティングサービス・イベント運営・プロモーション活動の支援」などです。

companyのビジョンである「価値ある出会いが未来を創る」が示すように、当社が推進するオープンイノベーションがこれからのイノベーション、未来の社会を形作るためのメジャーな方法論となり、やがては「誰もが気軽に、提携先パートナーを作ることができる時代になってほしい」、そんな思いから創設しました。

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この”オープンイノベーション”とは?

中村:オープンイノベーションとは、自社と他社(地方自治体、大学などを含む)の異業種、異分野が持つ技術やアイディア、データ、知識などを組み合わせ、革新的なビジネスに繋げるイノベーション創出のための方法論のことで、2003年にハーバード大学経営大学院の当時助教授であったヘンリー・チェスブロウ氏によって提唱されました。

日本におけるサービス・ものづくりには、圧倒的なクオリティ・品質の高さと、技術力に利点があると思っています。しかし、現代・次世代において世界へ打って出ていくためには、「いいものを創れば拡がる」というプロダクトアウトの思考から、「顧客が必要と感じるものを提供する」思考へシフトしていかなければなりません。多種多様なニーズ、そして移り変わる世の中のスピードに対峙していくためには、既存の枠組みにとらわれることなくもっと大胆に変革していく必要があるーーこれは、私が自身のキャリアを通じて身をもって感じていた危機感です。

この「オープンイノベーション」という手法は、日本のビジネス・企業の良さを備えながら、一方で日本企業がなかなか自社のみでは展開しにくい、過去に経験値がない領域や知見がない領域に、いまそこにあるであろうニーズとこれから必要になるであろう未来のニーズを見据えて、石橋を叩かずにまずは飛び込むことで、自社の技術を残しながらサービスに新たな価値を生み出すことができます。そこで、まずは我々がその基盤となるオープンイノベーションのプラットフォームを作り上げることができれば、日本がもう一度世界に羽ばたくようなビジネスチャンスを何倍にも広げるための協力ができるのではないか、と確信しました。

強い課題意識と信念から社内カンパニー設立に挑戦

現事業を立ち上げたきっかけとは?

中村:起業をしたいというよりは、率直に、日本のビジネスシーンにおける有り得ない状態を変えたかったという思いが形になったのかな、と思っています。

例えば自身の経験として、中途採用向けの人材紹介をする中で、地方の中小企業の方々とお話しする機会がありました。彼らが「何か新しいことをしよう」と思い立っても、地方の環境では人員やノウハウ、データなどのリソースを潤沢に集めることは難しい。また、スタートアップ企業の方々とお話しした中でも、販路拡充などもう1ステップ事業を大きくしようとした際すでにマーケットシェアを占めている大手企業と競業したくとも、窓口がわからない、と。

2000年から、P&G社は「コネクト・アンド・ディベロップ戦略」を提唱し、そこから8年後売上を大きく伸ばしました。共創という文脈での手段・やり方はあるはずーーと自分なりに様々な方法を探しましたが、コレという枠組みや汎用的な解決策はありませんでした。自分自身が人材業界にいたからこそ、「ないんだ‥」と衝撃を受けたことを今でも覚えています。

そんな危機感を最も強く感じていた2015年当時、社内で新規事業を起案・運営できる制度(当時の名称:0to1)が始まりました。そこで、現在のオープンイノベーション事業の立ち上げに挑戦することを決めました。採択されたのち2018年から社内カンパニー制の導入に伴い、カンパニー化しています。


会社の中で会社を立ち上げるということなので相当なパワーが必要であったと思います。何故アクションすることが出来たのでしょうか?

中村:正直、全く自信はなかったです。「事業を創ったこともない私がゼロイチで作ることが出来るのか?」と、すごく自問自答していました。しかし、自信云々ではなく「これは絶対に変えるべき」という強い課題意識と信念があったため、アクションせずにはいられなかったという感じです。とにかく必死で始めました。

そして、周りに支えていただいたことは特に大きかったです。起業を決めたタイミングで、この事業に勝ち筋があるのかを皆さんに聞かなきゃいけないなと思い、たくさんの方に壁打ちをしてもらいました。第一線で活躍するVCの方から一部上場企業の経営者の方まで、お時間を頂いたことは財産です。本当に大変お世話になりました。

自身の構想する事業は、経営者目線で有りなのか、無しなのか‥。とにかく意見を聴き、ビジョンや事業の形を作っていきましたね。また、幸いにも私の父や夫も経営者で、事業経営のイメージが湧いたことも大きかったと思います。

ご自身の強みは何だと感じていらっしゃいますか?

中村:「愚直であること」、でしょうか(笑)諦めない粘り強さがあると思います。同じ危機感を抱く方はたくさんいらっしゃるかと思いますが、実行して壁打ちして、事業として立ち上げるまでを自分自身でとにかくやり抜こうと決めていました。

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「誰と働くかが一番大事」ーー自身のマインドの変化

改めて、中村さんの今の仕事内容を教えていただけますでしょうか。

中村:現在は経営を任されているeiicon companyで、主に会社の事業戦略、ポートフォリオを定め、株主対応、資金調達などを行うほか、自治体を巻き込んだ大型の案件ではプレゼンも含めて関わることもあります。eiicon companyは、現在60名程度のメンバーを抱えていますので、マネジメントは各担当に任せつつも、私自身の役目で最も大事なことは「今この会社が一つの船に乗り、どの方向に向かっているのか」を明示することだと思っています。

今のカンパニーを立ち上げてからスキルやマインドセットに何か変化はありましたか?


中村:これまでは「何を成すか」「どんな世界にするか」といった、成果や状態を大事にする意識が強かったと思います。結果へのこだわりが強いというか‥痛みに強い、ある意味鈍感なタイプだったと思います。しかし会社を経営して、たくさんのメンバーを率いていく立場になった時に、結局は「誰とやるのか」が一番大事だということに気が付きました。同じ船に乗る、仲間が何よりも大事。

例えば、これまでもマネージャーという立場で、雇用者の面接を担当することはありました。ところが経営者になり、自分が調達したお金で人を雇い、時にはその社員が辞めていくことを経験して。立ち上げたばかりの時期ーー自分ひとりから少しずつ数名のメンバーが増えた頃は、「事業が死ぬくらいだったら」ととにかく無我夢中で働いていたので、離脱する方もいました。そんな時、「この方の人生にとって、eiicon companyに入ったことは幸せだったのだろうか?」と染み染みと考えました。

また、配置換えの心苦しさもありました。30名ほどの規模になった頃から、組織として新しいミッションを担うことになり、「(当初志願していた事業から変わってしまい)本人にとってプラスになったのだろうか?」と、自問自答していましたね。それからずっと意識していることは、共に働く仲間の気持ちを理解し、一番にポテンシャルを発揮させることができるアサインメントです。

心に決めていることは、「経営者の器が、事業の器」ということ。私が考えられる範囲が、事業の伸びしろであると思っています。昔は好きでやっていた情報収集や勉強も、今ではとにかく必死で(笑)知るか知らないかで会社と社員の生き残りがかかっている、サバイバルゲームですね。

一つの成功が、やがて大きなイノベーションの潮流に

事業の”やりがい”を教えてください。


中村:今年度、私たちが運営する日本最大級オープンイノベーションプラットフォーム「AUBA」のコラボレーション事例が1,000を越えました!利用者の方々のお声を聞くことが、一番の喜びとやりがいになっています。

少しご紹介すると、例えば「Cake.jp」さんと「Combi」さんの事例です。お祝いごとを通して販売機会を増やしたい前者の会社さんと、一生に一度の”赤ちゃんが生まれるタイミング”が主な顧客の利用タイミングであった後者の会社さんが組み合わさり、「年一の赤ちゃんの誕生日に、ベイビーシャワーのケーキを配送する」という新たなバリューを生み出すことによって、オープンイノベーションを成功させました。

他にも、大阪にある葬儀屋さんが抱えていた「ご遺体の匂いを和らげたい」という問題を、介護事業社さんが普段利用している「加齢臭を和らげる消臭剤」を提供して解決した事例や、航海日誌をAIに読み込ませて漁獲高の予測ができるようになった、といった事例もあります。

このような利用者の方々のお声を伺い、各企業それぞれが感じていた課題が他社と力を合わせて解決されていく度に、「プラットフォームを運営して間違っていなかった」と思えますし、それが何よりも自分自身が前に進むモチベーションになっています。

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今後は、どんな未来を作っていきたいですか。

中村:「オープンイノベーション」という手段は、日本の企業に合っていると感じています。近年生まれた言葉ではあるものの、形自体は「共同研究」という名で昔から存在していて、お互いの目指すものが”新しい価値”という定義が加わっただけであるかなと。

一方で、これがビジネスモデルとして一般化するためには、まだまだ越えなければならない壁があると感じます。例えば、中小企業は年間で約2万社生まれるといいますが、この膨大な量から地方企業がコラボレーション先を見つけることの難度もありますし、このコラボレーションを促すためにも地方自治に強い官公庁からのご協力も必要不可欠であると思っています。

利用していただくお客様の声を活かしながらプラットフォームを拡充させていく中で、ゆくゆくはグローバル規模の連携もしていきたいですね。「海外企業とのコラボレーション」という手段が一般的になる未来がきたら、素敵ですよね。

日本という国は特殊です。インフラが整っていて、単一民族がマジョリティを占め、「空気を読む」という独特の言葉がある。痛みや課題を強く感じるシーンが少ない国だなと思っています。人口減少、平均年収の低さといった点は、痛みを感じるべきフェーズまで来ているにもかかわらず、まだ強く問題視はされていない。このまま、痛みを感じることなく静かに衰退していくことは避けたい。「良いものを作れば買ってもらえる」と信じていても、グローバル市場からは取り残されてしまうと考えています。

世界は今、プロダクトアウトではなく、多様性の時代です。ユーザーニーズに合わせて、サービスを柔軟に活かせるようにならなければならない。そうしたサービスを生み出していく上でオープンイノベーションという手段は有効ですし、日本人が陥ってしまいがちな「凝り固まる」思考からの脱却ができる手段とも考えています。

最後に、中村さんにとって「イノベーション」とは?

中村:新しい価値を生むことです。そして広がる。実は、会社名の「eiicon」を名付けた理由の一つに、「どんぐり(Acorn)」の音があります。英語のことわざで、「Great oaks from little acorns grow. (樫の大木も小さなどんぐりから育つ)」という一節があるんですね。

小さな一つのイノベーションの数々が、やがては大きな大きな改革として広がっていくことを信じています。

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