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「高機能暗号」「秘密計算」など高度な研究を世の中へー最高科学責任者に聞く

EAGLYS株式会社取締役/最高科学責任者丸山祐丞

EAGLYS株式会社の共同創業者であり、最高科学責任者(CSO)を担う丸山祐丞さん。早稲田大学で教鞭をとる中で同社CEOの今林さんと出会い、高機能暗号・秘密計算及びAI技術に関する研究開発事業を始めます。一人の研究者として、そしてビジネスパーソンとして、自身の経験を通して確かな思いを持って取り組み続ける、丸山さんに今と未来を伺いました。

ポスドクから事業立ち上げまでーCEOとの出会い

学生時代から今に至るまで、どのようなご経歴で歩んでこられたのでしょうか。

大学時代はアメフトに励んでいたこともあり、大学院ではスポーツ科学の道に進みました。身体運動学の分野で博士号を取得した後、早稲田大学の起業家養成プログラム「WASEDA-EDGE」のポスドクとして就職しました。その際に、現在弊社でCEOを務める今林に出会い、ともに事業を立ち上げるに至りました。

CEO今林さんとの出会いは?

元々は、若手ポスドクと生徒という関係でした。はじめは、スポーツ関連のデータ収集・分析など、自分の手伝いをしてもらっている所から徐々に意気投合し、一緒に事業をするようになりました。後にそれぞれが事業会社を立ち上げ、一方は私がCEO、今林がCTOを、もう一方では今林の方がCEO、私がCTOを務めるようになりました。別々の形で協力しあっていたものの、いつの間にか一緒の企業になってしまった、という形です。

事業を立ち上げた後、現在までどのようにして進めてこられたのですか?

「基礎研究」と「社会実装」の両輪を回せる研究者になりたい、と思っていました。はじめは単発の案件でお金を稼ぐことが多かったのですが、徐々に基礎研究ができるスペースができ、暗号の研究を開始する。それに対してお客さんがついてくださり、会社を拡大していくことができました。大きくなるにつれて、研究に回せるリソースが増えて、良いサイクルができています。

一筋の課題を突き詰める研究者として

事業の中で、丸山さんはどのような内容の仕事をされていますか?

コア事業である「高機能暗号」の応用、特に秘密計算」に関連する様々な技術やAIの技術を事業に活かす役目を担っています。具体的には、「こうしたら暗号化が上手くできるのではないか」「暗号状態でマシーンラーニングをどのように行うことができるか」などといったトピックに対して最新の研究内容を拾い集め理解し、足りない部分は新しいアイデアを考え、そのアイデアをもとにモックアップとなる製品を作り、テストし、お客様に見ていただき、改良して……この繰り返しです。基本はこのような研究をメインに、ビジネスの現場に持ち寄るような橋渡し役もしています。

会社のメンバーは、どのような方が多いのでしょうか。

私が責任者を務めるR&D(研究開発)部門では、7割がPh.Dを取得していて、いろいろな専門分野の人間が多いです。社内には理系専攻ではない方もいますが、一貫して言えることは「一つのことを突き詰める」傾向にあるということですね。もちろんテーマは多岐に渡るため変わることもありますが、不思議とチームにそういう方が集まるように思います。だから普段の話も、スタンスも自然と合う。

ハードな現場で、リフレッシュはできていますか?

リフレッシュするという概念は、自分の中に正直あまりないんですよね。昔から、勉強もスポーツもそうですが、何かを一点集中して取り組む環境に長く居たため、研究したらしっぱなしというか、ずっと同じことをすることは苦ではないです。体が疲れているから寝たい、などはもちろんありますけどね。研究者として自分が言われ続けていたのが、「この(研究者の)世界では、一生かけて解くような大きな問題に取り組むことだ」「50年かかってもわからない仕事をやりなさい」という言葉で。研究を通して新しい疑問が生まれる、その度にまた繰り返し疑問を追い続けることが良い研究者なんだよ、と教えられてきました。Ph.Dの時のテーマとは変わってしまっているので、僕自身はいい研究者だとは思っていないのですが、ひたすら深く掘り続けようと、そのために時間をかけることは当然のことだと思っています。なので、休みは当然とったりするのですが、休んでても問題を解決するためにどうすればいいのかというのが頭に残ってて、リフレッシュしたという感じにはならないです。問題解決のアイデアが出てきた時は数時間くらいリフレッシュした気分になります。会社を始めてからそういう気分になったのは2回くらいだったと思います。僕はそれでいいと思っているので、リフレッシュするという意味ではすごい下手くそな部類だと思います。

事業を始めてから、ご自身の中でどのような変化がありましたか?

しっかりとした収入を得られることになったことでしょうかね……キャリアのはじめはポスドクでしたので、34歳になって初めて会社に所属したんです。ただ研究者をしているだけではお金を稼ぐことは難しく、自身もアルバイトでなんとか食い繋いでいた経験がありました。人に助けてもらってばかりだったこともあって、今はかつての自分と同じように困っている人を助ける側に回るようにしています。回りに回って、きっと社会のためになるのではないかなと。

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やりたいことをやり続けられる人間になるために、まずは環境から

今後はどのような目標を持っていらっしゃいますか?

会社としては世界一を目指したいですが、そういった結果よりも「プロセス」の方を大事にしたいという思いもあります。会社で働いている人間が自己実現ができる会社でありたいなと。「僕がやりたいことをやる場所を作る」と決めてスタートした会社でしたので、今もなお自分のやりたいことをやらせてもらっています。そんな必然性を用意してきたからこそ、会社もそうあってほしいなと。だからメンバーには、「自分のやりたいことがある人間、そして、それをやる人間になれ」と日頃から話しています。当然結果出したいとは思っていて、研究と社会実装を通じて、世の中に貢献したいです。論文を書いて、研究した知見を社会に還元しつつ、お客様に喜んでいただきお金をいただけたら、それがベストですね。

「やりたいことを思い切ってやれていない」という方に、ぜひメッセージをお願いします。

僕自身、一般的にみると大きなリスクをとって自分のやりたいことをやっている人間に映るのだろうなと感じていますが、清水から飛び降りれるような度胸があるほど、勇気がある訳ではないです。たまたまWASEDA-EDGEというスタートアップにとっていい環境で働かせてもらって、周りにスタートアップに挑戦したい・する人がたくさんいて、やりたいことを一緒に頑張ろうとしてくれる環境があったから、今があるのだと思っています。人間は流されるものだと思います。だから、まずは簡単な環境から身を置いて、自ら流されにいっても良いのではないでしょうか。例えば、大学の受験でもそうですよね。早稲田大学であれば卒業までに生活費込みで約2,000万程かかるようですが、そんなにリスキーな世界に飛び込めるのって、周りが行っているからじゃないですか。その人に勇気がないからじゃなくて、まずは環境から慣らしていくことで良いと思います。この記事を読むこともそのうちの一つではないかなと。

最後に、丸山さんにとって「イノベーション」とは?

別の分野の方と、共同研究することかと思います。自分の分野を突き詰めていると、必ず違う分野の専門性が必要になる。その時、三次元で生きていた世界が四次元に変わるように、次元が増えていくようなイメージです。

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