ゼロからの立ち上げを武器にーEX領域 最前線での挑戦
株式会社PKSHA Workplaceで、執行役員 兼 Workplaceビジネス本部 Workplaceビジネス室 室長を担う大西正人さん。慶應義塾大学1年時より、多くの会社でインターンや会社創業を経験し、freee株式会社では大型の協業事業をゼロから億規模の売上までスケールさせる実績を上げます。PKSHA Workplaceへ参画後は、EX(エンプロイー・エクスペリエンス)領域における社内コミュニケーションの最適化を目指し奮闘。これまでの経緯を含めて、大西さんの挑戦の道のりを詳しく伺いました。
■“ゼロイチ”を得意とするまで、重ねてきた無数のチャレンジ
ー 大西さんのこれまでの遍歴について、学生時代の経験から教えていただけますか。
慶應義塾大学へ進学し、はじめは体育会ボクシング部に入部しました。部としてOBのパイプが強く、大手企業への就職も積極的に手助けしてくれる環境があったのですが、そのレールに乗っていくことに違和感を強く感じました。結果、1年時から企業インターンの環境に身を置くことにしました。これが自身としてのキャリアのスタートです。
はじめにジョインした会社は後にカカクコムグループとなる大学の先輩たちが起業した従業員4名ほどの会社でした。生き生きと働く先輩たちの姿を通じて、ゼロイチの環境に身を投じる楽しさを体感していた頃ですね。営業として目標を掲げてはクリアすることを繰り返し、約1,000社に導入されていたシステムを、プラスで100社以上導入する成功体験をつむことができました。
次のチャレンジは、大学3年の頃に海外で初めて起業したこと。ここでは、事業の立ち上げ後にビジネスをスケールさせることの難しさを学びました。日本に帰ってきてからは様々な会社にインターンとして参画し、最終的にはfreeeにジョイン。入ってすぐにインターンのレベルではないという評価を頂き、学生ながら社員にして頂きました。
当時、freeeの社員数は30〜40名規模。プロダクトを拡大させるべく法人セールスチームを立ち上げるタイミングで、3人目のセールスとして参画しました。最終的に、会社全体で700人規模になるまで在籍し、営業組織だけでも200人規模まで成長していたかと思います。在籍時の後半は、Salesforceとの協業ビジネスや連携プロダクトのPMを担当。0から立ち上げたプロダクトを元に、約1年半でARR3億規模まで成長させました。協業ビジネス、API連携プロダクトとして、freeeのさらなる成長につながる成功事例をつくれたと自負しています。その後は、声かけをいただきリーガルテックの取締役も経験しました。
ー 現職には、どのような経緯で入社されましたか?
学生時代から、起業したいという思いが強くありました。一方、飽き性であるため、自分の中の“ど真ん中”で戦えないと続かないというのも痛いほどわかっているつもりです。自分の“ど真ん中”を探求することができ、裁量権を持てる環境はないかということで、PKSHA Technology(以下、PKSHA)に入社を決めました。
PKSHAは、R&D部隊、AIソリューション部隊、AI-SaaS部隊と大きく3つのチームがあり、3つのチームが好循環サイクルをまわすことで、ビジネスを拡大しています。そのため、AIやDXという観点から、様々な角度で企業のペインに向き合うことが可能なため、新規ビジネスを生み出すタネが多いと考えました。また、一般的なSaaS企業が、1マーケット/1プロダクトで勝負する会社が多い中、自然言語処理というアルゴリズムをコアに複数のSaaSをエンタープライズ企業へホリゾンタルに展開し、高付加価値、高単価のポジショニングをとるPKSHAに魅力を感じました。
■自社ならではの組み合わせが生み出す新たなEX事業が、次世代へ推し進める手助けに
ー 現在、どのようなビジネスをされていますか?
PKSHA Workplaceを推進する執行役員 事業部長という立場になり、営業から開発までの推進を担っております。事業としては、主にエンタープライズ企業のエンプロイーエクスペリエンス(EX)の向上に向けて、PKSHA独自のアルゴリズムをコアに、AI-SaaSを開発・提供しております。例えば、大企業では、固定電話対応が続いていたり、在宅対応が難しかったり、必要なマニュアルが存在していなかったり…そうした企業内で抱える人やナレッジとのコミュニケーション上の課題を、AI-SaaSにて、自動化・最適化する仕組みを提供しています。私が事業部長の立場となり、約2年ほど経ちますが、5名チームから現在約30名規模となり、昨対300%程度で成長しています。開発や営業、カスタマーサクセスなど、優秀で個性的なメンバーが揃っていると思っています。
ー 大西さんの周りでは、主にどんな方が働いていますか?
PKSHAは上場企業であることからも一定度、成熟している会社に見られる部分もあるかと思います。その中でもPKSHA Workplaceは最も新しく、最も成長角度を求められているチームです。その点で、自ら成長への高いマインドを持ち、自分の領域に囚われずに、事業作り、組織作りに携わりたいという意欲が強い方が多いです。
ー 入社後、ご自身の中でどんな変化を感じていますか?
今までは、私が“ゼロイチ”と呼んでいる、何もないところから事業を立ち上げる仕事を多く担う中で “産みの苦労”を痛感してきました。PKSHAは、上場企業ならではのヒト・モノ・カネなどのリソースが潤沢で、それらを十分に活かすことによりゼロイチで生じる様々なハードルをある程度スキップして、一気に飛躍する土台があるーー純粋にすごい所だと感じます。一方で、これまでの勝ちパターンや培ってきた組織体制の中で、新規事業を立ち上げることの難しさに直面することもあります。豊富なリソースを活かして、いかに最大限レバレッジをかけられるかどうかは、自分次第と思っています。
ー どんなことに最も面白さを感じていますか?また、今後大西さんが目指している未来は?
一番の面白さは、「コミュニケーション領域」と「アルゴリズム」の掛け合わせで、DXという文脈の中で、PKSHA、そしてPKSHA Workplaceは、間違いなくユニークなポジションにいるということです。PKSHAの技術力と事業開発力をさらに活かすことができれば、このコミュニケーション領域のビッグデータを有効活用し、まだまだ新しい事業や付加価値を生み出せるなと。そんな事業作り、組織作りに向けて、チームでも、個人でも、挑戦し続けていきたいですね。