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あらゆるデータを安全に社会実装するためーAI・データ利活用事業の最前線の挑戦

EAGLYS株式会社代表取締役社長/CEO今林広樹

EAGLYS株式会社の代表取締役を務める今林広樹さん。2015年の渡米時に経験したある出来事により、現社会におけるデータセキュリティがもたらす大きな課題を実感します。帰国後、高度な暗号化と秘密計算に関する研究を行う中で創業した同社で、どのような事業を進めているのか?日本におけるAI・データ利活用ビジネスの第一線で奮闘する、今林さんの信念に迫りました。

理系としての一本軸をーデータサイエンティストとしての渡米経験

学生時代はどのように過ごしていらっしゃったのでしょうか。

早稲田大学で理系の学部に入学したのですが、はじめは真面目な方ではなかったです。3年生で脳科学の研究室に入り、その傍ら、社会見学の一貫でインターンシップしていたら、周りの学生の優秀さと自分とのギャップに大変驚愕しました。この時に初めて、「自分はこのままでいいのか?」と人生のキャリアパス、そもそも何をしようかと悩みましたね。学部卒での就職を悩む自分に、当時の教授から「理系として一本の軸となる柱を作った方が良い」とアドバイスを受け、今自分がおかれる環境においてどう自己存在定義ができるかと考えるように。結果、そもそも周りから遅れをとっている自分は異端度を極めるしかないと考え、それまで学んでいた生物・医学関連の理学から統計・機械学習や計算機科学・プログラミングなどの工学寄りに軸を設定・シフトしました。周りの生徒と、より明確な差別ポイントを作りたかったんですよね。それからは、1日18時間くらい部屋にこもって、気が狂ったように勉強を始めました。不真面目だった自分が徐々に研究にのめり込んでいき、理系を学ぶ者としてのスタンスが出来上がったのが4年生の頃です。


その後、現在の会社を立ち上げるに至ったきっかけを教えてください。

進学した大学院でコンピューターサイエンスを専攻していたのですが、一時休学をし、その際に米サンフランシスコ・シリコンバレーにある企業で、データサイエンティストとしてインターンシップする機会を得ました。このアメリカでの経験が、今の方向に進む大きなきっかけとなりました。あるデータ解析のプロジェクトを企画した際、肝心な”データ活用”の場面で、企業の機密情報を思うように取得できなかったんです。世間では「これからはAIの時代」だと謳われている中で、セキュリティの壁がそれを無益にしている現実を、肌で実感した瞬間でした。素材がないと、良い料理はできない。まずは「プライベートデータにアクセスできない」という課題を、解決するためにはどうしたらいいのかーこの社会に求められるデータ利活用の問題に人生をかけて取り掛かろうとアメリカの地で心に決め、帰国後はとにかくまずは専門性を磨くため淡々と研究をしました。国のプロジェクトに取り組んだり、論文書いて発表したり。2016年の冬に現在の会社を創業するに至りましたが、そこからは「大学院生」と「創業者」の二足のわらじ状態です。とにかくやるべきだと思ったことに向かって突き進もうと、急ぎ足で立ち上げました。

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事業開発のプレイヤー、そして安全なデータ活用ができる未来を描く経営者として

現在経営される会社の事業を教えていただけますか?

「AI」と「データセキュリティ」を掛け合わせた事業を行なっています。AI関連のサービスを扱うスタートアップ企業は少なくないですが、弊社の場合は「データセキュリティ」を掛け合わせているところがユニークなポイントです。会社のテーマとし「あらゆるデータを安全に利活用し、価値に変える」を掲げていますが、ここには大きく二つの要素があります。第一に「データを安全に集める」こと、第二に「安全に活用する」こと。事業としてコアな価値をおいている秘密計算という技術は、データを暗号化したまま計算ができる、データ利活用のためのセキュリティ技術です。弊社がこの技術を応用して開発したシステムは、秘密計算技術を意識しなくても気軽に実装できるように、ユーザーにとって使いやすく設計している所が強みのミソです。企業内のデータ統合分析や企業間のデータ連携の際に、セキュアな環境を各社が新たに一から設計・開発することもなく、簡単にオンライン上の環境で企業の機密なデータをつなげ、分析することができます。
これにより、従来は取得がむずかしかったパーソナルデータや企業の重要情報も、暗号化して実質クローズドな状態で収集し、カプセル状態のままデータ活用できるようにすることで、より詳細でリッチなデータを集めることができるようになります。また、例えば従来、データの機密性ゆえにマスキングなどの時間と手間がかかっていた業務工程を短縮できます。データ利活用は出口設計も重要なため、AI解析などの周辺技術の実装支援も進んでおり、ユニークなテクノロジーを活用してコアバリュー転換まで協働できることが強みとなり、多数の企業にサービスをご活用いただいています。


今林さんは、CEOとしてどのような役目をされていらっしゃいますか?

大きく「事業開発」「ロードマップ作り」です。まず「事業開発」ですが、草創期は、そもそも世の中にユースケースが多く立ち上がっていない段階でした。なので、自身が「生み出す」コアバリュー創出のプロセスにも携わることが大事だと考え、密に関わっていましたし、今でもプレイヤーとして現場に入り続けるようにしています。私の知る限り日本で初めて「秘密計算」を活用したシステムを公開事例として商用環境にローンチしたのですが、このようにコアなディープテックを社会実装するのは大変難度が高いです。また、開発がうまくいったとしても、市場で利用していただけるアーリーアダプターを見つけることも何より困難です。今では大手IT企業とも実証実験を走らせていますが、特に当初は「高機能暗号」とか「秘密計算」という一見謎めいた技術活用にチャレンジしてみよう!と手を挙げてくださる会社さんは非常に少なかったです。今でもそうですが、市場啓蒙にも自ら出向いていました。「ロードマップ作り」は、研究開発を通して原石を磨きながら、「誰にどう使ってもらうのかの積み重ね」の絵を描く作業です。このプロダクトのロードマップをどう作っていくかも、研究開発側のボールでなく、事業開発側がハンドリングすることが重要だと思っています。ビジネスとしての戦略・方針決めにも関わるテーマのため責任を持つべきだと思い、顧客との協業創出とユースケース創出、ニーズを製品に反映するプロセスに自ら積極的に携わっています。

コアな技術の浸透を目指してーより幅広くマルチな視点を

事業をはじめて、マインド面ではどんな変化がありましたか?

冒頭で自分自身が教授から軸を持つことの重要性を教わったお話をした通り、揺らぐことのない”コア”を持つということは、周りとの差別化にもなりますし、競争戦略上もキャリア観点でも重要だと思っています。ですが、途中まで自分自身がその軸に縛られすぎてしまったと感じています。今の事業を経営する中で、専門性が高い(一般理解には難しい)技術をどう市場にインターフェースしていけば良いのか?と、お客様の側からの視点に重心を柔軟に動かしてみるようになりました。ディープテックは顧客のニーズへの直接的な解ではない上に、直接説明すると難しい技術であるからこそ、ニーズを作り出すことが難しく、「技術はあるのにどのように売れば良いのか」状態が続くという、大きな壁が存在しています。こういった特質だからこそ、エンドユーザーであるお客様視点に立って、どう達成すべきなのかをクライアントさんと一緒に考えることができないと、ディープテックが世の中に浸透していくことはないのではないでしょうか。

今後は、どんな未来を作っていきたいですか。

あらゆるデータにすぐにリーチできるような世界観を当たり前にしたいです。まるで「どこでもドア」のように、できるだけ多くの企業や人がどんなリアルデータにも手も足ものばして活用できるよう、「インターネット上のセキュアなバーチャルボックス環境」のようなイメージでサービス展開していきたいです。

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